インターロッキングが敷かれた庭を動画で見て、自宅にも導入できないかと考え始めたけれど好みだけで決めてもよいのか不安に感じている人はいませんか?
この記事では、インターロッキングを庭に敷くメリットから施工方法まで詳しくご紹介します。
インターロッキングとは?
インターロッキングとは、正確には「インターロッキングブロック(interlocking block)」というブロック素材のことで、かみあわせ式でずれにくいのが特徴です。
コンクリート製の舗装用ブロックとして、庭だけでなく道路・歩道・駐車場などに広く使われています。
庭にインターロッキングを敷くメリット

庭にインターロッキングを敷くメリットは以下の通りです。
- 水はけがよい
- 夏に地面からの照り返しが抑えられる
- デザイン性が高い
- 雑草の成長を抑えられる
- かかる荷重を分散できる
- ライフサイクルコストが安い
- 柔軟性があり歩き心地がよい
ライフサイクルコストとはある商品やサービスが作られてから壊れて廃棄されるまでにかかるすべてのコストを合計したもので、初期コスト、運用コスト、維持管理コスト、修繕コスト、廃棄コストなどが含まれます。
インターロッキングはライフサイクルコストが安く使い心地も良いため、費用を抑えて庭の美観を維持したい人におすすめです。
インターロッキングの施工方法

標準的なインターロッキングの施工方法を、エスビック株式会社の「2025エクステリア総合カタログ」を参考にしてご紹介します。
事前確認
インターロッキングを庭に施工する前に、確認しておきたいことを4つご紹介します。
路盤の確認
路盤(ろばん)とはインターロッキングを敷く前に作る「下地となる地面の層」のことで、荷重をしっかり支え、沈下やひび割れを防ぐための重要な構造部分です。
一般的には、砕石や再生材などを転圧(圧力をかけて地面を固める作業)して作ります。
路盤については、事前に以下の4つの項目を確認しましょう。
項目 | 概要 |
路盤の高さ | インターロッキングブロック80㎜の場合、敷砂20㎜で合計100㎜下がりが適正な高さなので、この基準に合っているか |
路盤の仕上げ | 路盤の平坦性が十分に確保されているか |
路盤の締固め | 路盤の締固めが十分であるか |
路盤支持力 | 路盤が上にかかる荷重(車や人の重さなど)を支える力を十分に持っているか(車両が乗る場合は特に高い支持力が求められる) |
路盤についての事前確認を行わないと、施工しても面が不陸(水平でないことや、面が水平でなく凹凸があること)な状態に仕上がる可能性があるため注意しましょう。
水勾配の確認

水勾配とは雨水や汚水を排水するために設けられる傾斜のことです。
路盤の仕上り面上で上記の画像に示された水勾配を確保しましょう。
もし敷砂で水勾配を取ると、敷砂層の厚さが異なり施工後不陸な状態に仕上がる可能性があるため注意が必要です。
付帯設備の確認
付帯設備とは建物に附属する設備のことを指します。
インターロッキングを施工する前には以下の3点について確認しましょう。
項目 | 概要 |
マンホールの高さ | マンホールが正しい高さに設置されていない場合、舗装面との段差が生じるため、歩行者の歩行性、車両の走行性、安全性を損う可能性がある |
縁石の高さ | 縁石が所定のレベルよりも高く設置されていると敷砂が厚過ぎて施工後不陸な状態に仕上がる |
集水桝の高さ | 集水桝は仕上りの水勾配に合わせて設置する |
建物には必ず付帯設備が設置されているため、他の設備とのバランスを考えた施工をするのが重要です。
特にリフォーム施工の場合、既存の設備との高さ調整が難しくなることがあるため、必ず現地調査を行ったうえで設計・施工を進めてください。
敷砂と目地砂の確認

敷砂とは、主に庭や歩道などの地面に敷くための砂のことです。
一方目地砂とはブロックやレンガを地面に敷く際に、間に砂を詰めて摩擦力で固定するために使用される砂を指します。
敷砂と目地砂にはそれぞれ上記画像のような品質規格があり、敷砂は規格を満たす川砂や砕砂、目地砂は規格を満たす細目砂や硅砂を使用しなければなりません。
また敷砂と目地砂は性質が異なるため、混ざると排水性や強度に影響を及ぼすおそれがあります。
現場で保管する場合、必ず別々に保管しましょう。
施工の手順
事前確認が終了したら、次の手順で施工を行います。
レベル出し
レベル出しとは、機械や構造物を水平に設置する作業のことです。
インターロッキングの施工においては、インターロッキングブロック舗装を所定の高さに仕上げるためにレベル出しを行います。
手順は以下の通りです。
①縁石や境界ブロックの高さに合わせて、水糸を張る(砂の沈みしろを10㎜程度見込んで、80㎜厚インターロッキングブロックの場合、縁石より77㎜下がった位置が、敷砂の仕上がり高さとなる)

②仕上がりの高さが、縁石や境界ブロックの天端より低い場合は、縁石や境界ブロックの側面に墨出しをする(天端より何㎜低い位置が、ブロック仕上がり高さなのかを確認し、その高さより77㎜下がった位置が、敷砂の仕上がり高さとなる)

③施工面積が広く墨出しができない場合には、丁張りを設置し水糸を張ってブロックの仕上がり位置を設定する
インターロッキングを庭に敷いた後に地面が凹凸になったり、排水不良を起こしてしまわないようにするためにも、レベル出しはとても重要な作業であるのを覚えておきましょう。
敷砂の敷きならし
敷砂の敷きならしとは、敷砂を平らにならす作業のことです。
インターロッキングの施工においては、敷砂の厚さと密度を均一に仕上げるために、敷砂を必要な厚さで路盤上に敷きならします。
敷砂の敷きならしの手順は次の通りです。
①敷砂の密度を均一にするため数か所にわけて設置する
②敷砂の仕上がり厚さに沈みしろ(7~8㎜程度)を加えた厚さで砂をまき出す
③敷砂をプレートコンパクターで転圧する
④ならし板などを用いて敷砂の仕上がり厚さになるよう平らにならす
敷砂の厚さが均一ではない場合、施工後にブロックが浮いたり沈んだりする原因となるため、注意深く作業を行ってください。
また敷きならしを行った後に敷砂の上に直接人間が乗ってしまうと、敷砂の厚さや密度が変化してしまうため注意しましょう。
ブロックの敷設
ブロックの敷設とは、インターロッキングブロックを敷く工事のことです。
インターロッキングブロックを設計通りに効率よく敷くためには、割付図に基づき以下の手順で敷設するのがよいでしょう。
①敷き始めの基準点を設定する(長い直線で設置されている縁石などの1点が望ましい)
②基準点を通り、直交する2本の基準線を水糸で設定する

複数の人で作業をする場合、割付図を共有し都度確認しながら行うとミスを防げます。
またブロックの模様や形状によっては、向きをそろえることでより美しい仕上がりになります。
敷設中は模様や接合部のずれに注意しましょう。
目地調整
目地調整とは、インターロッキングブロックを敷いたあとブロック同士の隙間を均一に整える作業のことです。
目地調整は以下の手順で行います。
①基準線に従い水糸を縦横に直交させて張る
②水糸からはみ出たブロックをゴムハンマーやバールなどで調整し、インターロッキングブロック舗装面全体の目地幅がおおむね均一になるように調整する
目地幅は一般的に2~3mmが推奨されていますが、使用するブロックの仕様によって異なる場合があるため、設計図やメーカーの基準に従って調整しましょう。
また作業をする時はせっかく施設したインターロッキングブロックを割ってしまわないよう十分に注意が必要です。
端部処理
端部処理とは、インターロッキングブロックの端部を処理する過程のことです。
端部処理の精度は見た目の美しさや舗装の性能に及ぼす影響が大きいため、次のポイントを抑えてていねいに行いましょう。
- 端部はブロックをカッターで切断したカットブロックなどを用いて納める
- カットブロックで納める場合には、寸法精度が高く正確で丁寧なカッティング処理を行う
- 1/2サイズ以下のカットブロックは、強度が低く割れやすいことに加え目地砂の保持力や仕上がりの美観にも影響するため、可能な限り使用を避ける
工期に余裕がない場合でも、端部処理にかける時間を削減しすぎると仕上がりが満足できないものになってしまう可能性が高いため注意が必要です。
また端部処理後にはブロックのガタつきがないか確認し、不陸が生じないようにしましょう。
転圧
転圧とは、敷設したインターロッキングブロックを機械で押し固める作業のことで、以下の目的で行われます。
- 舗装面の不陸調整と敷砂の転圧
- 目地砂をブロック表面まで充填させて、インターロッキングブロック舗装の機能を十分に発揮させる
転圧は次の手順で行いましょう。
①縁石や境界ブロックとインターロッキングブロックの間に目地砂を入れる
②歩く程度のスピードで一定方向に2~3回転圧を繰り返す
転圧の際はブロックの割れや欠けに注意しながら行うことが大切です。
また転圧機械(プレートコンパクター)にゴムマット付きのものを使うと、ブロックの表面を傷つけずに作業できるのでおすすめです。
目地詰め
目地詰めとは、インターロッキングブロックを敷設した後、ブロックとブロックの間(目地)に砂を充填していく作業を指します。
目地詰めは以下の手順で行います。
①ブロック表面に目地砂を均一にまき、ほうきやデッキブラシなどでブロック表面を掃くようにして砂を目地にすり込む
②(目地砂が濡れている場合)ブロック上に散布し、天日で自然乾燥させた後に掃き込む
目地砂の充填が不十分だと、ブロックの移動や局部沈下などが発生し、インターロッキングブロック舗装が壊れる原因となるため注意しましょう。
インターロッキングを庭に敷くのにかかる費用

インターロッキングの庭への施工費用は1㎡あたり5,000~15,000円が相場です。
費用の内訳は次の通りです。
項目 | 説明 | 相場価格 |
素材費 | インターロッキングの素材そのものにかかる費用 | 2,000円〜8,000円 |
工事費 | レベル出し・転圧などの施工作業にかかる費用 | 1,000円/㎡〜3,000円/㎡ |
人件費 | 職人の人件費 | 2,000円/㎡〜4,000円/㎡ |
素材費はシンプルなデザインのものと高級素材との価格差が大きいのが特徴的です。
また人件費は作業の難易度によって変動します。
インターロッキングの施工費は業者によって差が大きいため、必ず複数の業者に見積を依頼し内訳も明確に教えてもらうようにしましょう。
インターロッキングを庭に敷いた場合の施工例
インターロッキングを庭に敷いた場合の、balance-gにおける施工例を2つご紹介します。
モノトーンカラーのおしゃれなモダン外構

群馬県前橋市のⅠさま邸は、住宅の白と茶色の外壁に合わせて外構をグレーを基調としたデザインとしました。
インターロッキングブロックは、同じグレーでもトーンを変えおしゃれで表情豊かな仕上がりとなっています。
また門袖には天然石のような高級感があり品のあるタイルを採用したため、住宅全体が上品な佇まいとなりました。
アプローチまわりにインターロッキングを導入したシンプルな外構デザイン

高崎市のO様邸では、お客様のご要望で「建物の外観との調和」をテーマにプランニングを行いました。
外構全体を建物の外観と統一感のある色味とデザインにし、インターロッキングブロックもその中に美しく調和しています。
また夜はライトアップをするため、同じインターロッキングでも異なる雰囲気となるのが特徴的です。
インターロッキングを庭に敷きたい方はbalance-gにご相談ください

インターロッキングを庭に敷きたい方は、balance-gにご相談ください。
balance-gではインターロッキングそのものを外構でどう使うかだけではなく、お客様のご要望に応じて建物との調和をはかったデザインにすることができます。
またたくさんの施工例をホームページやInstagramで発信しているため、balance-gにご依頼いただくとどのような施工ができるのかがお客様にも一目でご理解いただけます。
興味のある方は、LINEやホームページから気軽にお問い合わせください。
群馬県高崎市の外構工事・エクステリアなら|株式会社balance-g
まとめ
インターロッキングとは、正確には「インターロッキングブロック(interlocking block)」というブロック素材のことで、かみあわせ式でずれにくいのが特徴です。
この記事も参考にして、ぜひ自宅の庭に合った形でインターロッキングを施工してみてください。